● ガザから 
No.1  

  現在、ガザにいます。こちらへ入って2週間がすぎました。
  日本ではもうニュースにもならず、パレスチナは忘れ去られようとしていると思いますが、こちらの人々はこれからどうするかということで、頭がいっぱいです。ガザを建て直すことにどのくらいの時間がかかるか分かりません。また人々の心の傷はとても深く、再び何かが起こるのではと怯えています。
  毎日被害状況を見てまわっています。破壊のされかたもすごいですが、人権上どう考えても許されるべきでないことが、あちらこちらで起こっているという事実の重さに圧倒されています。
  今回の侵攻中、イスラエルは国外のジャーナリストを、一歩もガザに入れませんでした。地元のジャーナリストは危険な中、ニュースを流し続けました。
  ガザ入りの許可が下りたのは、停戦から1週間経った後でした。
  事件が起こっている間とは違い、道路は片付けられ、壊された家々はイスラエル軍によって瓦礫がまとめてあり、どこがどのくらい壊されたのかわからなくしています。農地も、オリーブやオレンジの木をたくさんなぎ倒していますが、土をかけられ、耕された土地と判別できないようにしています。しかしながらいくら事実を隠そうと思っても、人々の口を閉じることはできません。

  今、私たちに出来ることは何が起こったのか知ること、そして決して忘れないことだと思います。

09年2月7日
文・写真 古居 みずえ

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